2024年度公立入試の各教科・問題の正答率が公表されました
7/15に埼玉県の教育委員会から2024年度の公立入試に関して新しい情報が公開されました。これは、受験生による各教科の点数分布と小問ごとの正答率です。
この分析は、公立高校を受験する子が教科ごとに一字一句読む意味はさほどないでしょう。
しかし、入試の傾向として抑えておくといい情報をこのTOP-TIMESにまとめておきます。
ぜひ、一読して、今後の勉強の参考にしていただければ幸いです。
差がつきにくいが、差をつけられると致命傷
埼玉県のおよそ偏差値60以上の公立高校に学校選択問題が導入されて6年経ち、問題の難易度は安定してきました。
図は、過去3年間の学校選択問題の得点ごとの分布図です。
昨年度の数学は、30点台後半から50点後半の間に受験生の約70%が分布していて、英語は40点後半から60点前半の間に約65%になっています。
どちらも山が一つで、狭い得点の幅に受験生が集中していることがわかると思います。
これの背景には、難易度が安定してきたことで受験生が対策をしっかり立てられるようになってきたことと、それでも70点以上の高得点を取るのが難しい入試であることがあると考えています。
なので、志望校のレベルにも当然よりますが、英数は必要最低限の得点を取り、国理社で高得点を取るという戦略が常套手段になります。
もちろん、この必要最低限を取るのにも鍛錬が必要ですので、容易いことではないことなのですが。。。
差が付きにくい教科ゆえに、差を付けられると致命傷になる教科であることは認識しておきましょう。
全体の半分以上が正答率50%を切る教科
理科は全部で28問ある中で、正答率が50%を切っている問題が16問あり、さらに大問4の「化学」の単元には50%を超えている問題が存在しません。
これには平均点からはわからない理科の難易度の高さを表しています。
前回のTOP-TIMESでも触れたように、理科と社会は問題文が年々長くなっている傾向があります。特に理科は計算も複雑になっているのもあり、単語だけを覚えているだけという勉強では到底得点できない教科になってしまいました。理科は本質的な理解を常に心がけなければなりません。
実験一つとっても、「なぜそうなるのか」「なぜその操作が必要なのか」自分の言葉で説明できることが肝心。
そして、高得点を狙うためには、
多くの受験生が苦手とする大問4「化学分野」と大問5「物理分野」を重点的に勉強できるといいでしょう。
なぜならこの二つの分野は特に表面的な知識では対抗できないからです。
国語の意外な落とし穴
埼玉県の国語は全国的にも易しめだと言われている。問われることも傾向も一貫しています。
が、1つだけ正答率が低めな大問があります。
それが大問4「古典」です。
読解や語句・文法より設問も少ないので、軽視されがちな単元なのかもしれませんね。
しかし、高校の古典とは違い、しっかり対策できれば確実に得点できるのが中学生の「古典」です。
国語と言えば、説明文や物語の読解、漢字を意識をしがちですが、古典も漏れなく対策できるようにするのが大事です。