勉強で「頑張っているのに結果が伴わない、伸びない」という悩みは保護者からも、子どもたちからもよく聞きます。頑張ってるのに伸びない状況は、とても辛いですよね。
しかし、ヒトコトに「頑張っているのに結果が伸びない」言ってもいろんなパターンがあります。保護者の方は、お子さまへの声掛けの参考にしてください。
パターン①「成長に気づけない」
主に、定期テストでの話になります。
ある定期テストで80点を取れるように勉強していたとしても、定期テストはテストごとに範囲が変わります。
次のテスト勉強は、その80点の定着度から始まるわけではなく、再び0点から積み上げないといけません。
例えば、テスト勉強ごとに全力を尽くして頑張っていて、80点のテストを取って、次のテストでまた80点だったら、「頑張っているのに…」と思わず、ちゃんと頑張った結果は出ていることを理解しましょう。
そして、そこから90点、100点を目指すなら、今までの以上の努力と工夫を行うことが必要です。
パターン②「周りと比べた時に、努力に差がない」
主に、受験勉強や模試での話になります。
偏差値とは、周りとの差を表す数字です。受験生になると、周りも本格的に勉強するようになり、自分も頑張っているのと同じように、周りの人たちも頑張っています。
高偏差値になればなるほど、みんな必死です。
もし受験期後半になって、偏差値がキープできているのならば、まず周りの子と同じぐらいの努力はできていることになりますね。偏差値を伸ばすというのは、周りの人より努力をしなければならず、それはとても大変なことなのです。
そして、ここでいう努力とは、決して勉強時間だけではありません。同じ1時間で20問解ける子もいれば、40問解ける子もいます。だからと言って、雑にたくさん解けばいいというものでもありません。
質と量を高めて、周りと差をつけられるような努力をすることは、一朝一夕でできることではなく、とても根気がいることなのです。
パターン③「勉強のやり始め、伸びる直前期」
パターン②の続きにもなるのですが、勉強量と結果は決して比例しません。
どちらかというと、2次関数のグラフのように、最初の方は伸びない時期があり、ある一定のポイントを機にグーっと伸びるようになります。
なぜかというと、勉強し始めは、知識を入れたとしても、その知識をどこで使えばいいのかわかっていないことや同じような単語で混乱しがちです。知識と知識をちゃんと結び付けていないとテストなどでは使い物になりません。
情報を整理していくには、時間がかかるので、結果は勉強量に比例しないわけです。
なので、特に努力し始めは、なかなか結果には結びつきづらいタイミングはあります。
しかし、ちゃんと正しい努力が出来れば、必ず自分が伸びるポイントはあります。
パターン④「本当は頑張ってない」&「時間だけで頭を使ってない」
“頑張る基準”が低いパターンもあります。
10分勉強して「頑張った」と思っている子もいれば、3時間でも「まだまだ足りない」と思っている子もいます。前者の結果が出ないのは当たり前ですよね。
また、3時間勉強したとしても、同じ単語をずっと書くだけ、教科書を読んでいるだけのような勉強で結果が出るはずもありませんね。
常に「なぜそうなるか」と考えながら問題を解いたり、細かくテストをしたりして、
自分が出来るようになっているかを意識しながら勉強する必要があります。
パターン⑤「土台がなさすぎる」
これは、2・3年生から塾に通い始めた子に多いケースです。
1年生や小学生の頃に遅れがあって土台がない人は、目先のテストでは結果が出ません。
土台の無さを自覚して、やり直す勇気をもって、前の学年の単元にも取り組まねばなりません。
パターン⑥「成績最上位」
⑤の逆。偏差値70付近になると、上にいくにも限界があります。
多少の上下は、その子の学力うんぬんではなく、問題の相性も関わってきます。
ここまで上り詰めたら、どんな問題が出されても対応できるように日々鍛錬ですね。
学問に王道なし
⑥を除いて、状況を打破するためにはやり続けるしか方法はありません。
今まで1から10までやっていることを、「頑張っている」と定義していたのなら、
①や②のパターンの子は、10で満足せずに、20や30やらないといけません。
④の子は、自分なりの1から10ではなく、より密度の高い1から10または、1から10ではなく、AからZのような別の勉強法をやらないといけないのかもしれません。
⑤の子は、0からやらないといけません。
「学問に王道なし」
と昔から言われるように、試行錯誤しながら、根気強く、やり続けましょう。