守破離とは
新学年・新学期がスタートしました。
スタートというのは、何事においても大事です。どういう姿勢や気持ちでスタートするかで、その1年が決まる気がするのです。
ここで、意識して欲しいのが、「守破離」という考えです。
守破離とは、日本の武道や茶道など“道”を極めるために必要な3つのステップの事で、「守」とは師の教えを忠実に守ること、つまり基本の段階です。「破」とは自分で考え工夫すること、つまり自立の段階です。「離」とは独自の新しい世界を確立すること、つまり創造の段階を指しています。
漫画・鬼滅の刃でもこの「守破離」について書かれたページがあり、「守」は、できるようになること、「破」は、使いこなすこと、「離」は極めること、だと説明されています。

この「守破離」の中で、何より大事にしてほしいのは「守」です。
初めから自分の思うようにやるのではなく、最初から好き勝手にやるのではなく、まずは言われたこと忠実に実践して、基本を大事にしてください。
中学生を見ていると、この「守」を大事にしない人が多いような気がします。
例えば、宿題。宿題は、1つの技術や単元を習得するために、目の前の生徒のことを考えて、時期も意識して、先生たちが練りに練って出しています。
この当たり前の「守」もできない人が、何かを使いこなしたり極めたりすることが出来るはずもないと思いませんか。
そして、「破」に行く人は、宿題の内容を完璧にするだけではなく、その単元の類題を自分で探してやったり、苦手なところを自分で反復したりする人です。そこまで完璧にやってから「離」に行きましょう、自分が思うようにやっていいと思いますよ。
地道な作業から逃げてはいけない
ただ、「守」が嫌な人の気持ちもよくわかります。繰り返しやるのは、地味ですし、楽しくないことの方が多いです。
でも、この地道な作業から逃げてはいけません。
数学は、中1から中3まで最初の単元は、地味な基礎計算が続きます。
これらの単元が、新学年1発目にあることは
「数学の基礎計算のルールを徹底的に叩き込んでくださいね」
「地道な作業を疎かにせずに、学習の姿勢を身につけてくださいね」
という、教科書からのメッセージだと、僕は思っています。
この基礎計算のルールは、見た瞬間に手が動くように何度も繰り返し、プリントやテキスト等で周回作業を繰り返します。前半にも述べたように、体に馴染ませるには、こうして何度も繰り返しやるのが大切です。
そうしないと、なかなか身につかないからです。計算の単元は、こういう反復に向いている単元なので、勉強の正しい姿勢を身に着けるのにとてもいい機会だと思います。
こういう作業を嫌がってサボるようではダメなのです。徹底的に徹底するってことをしないと出来るようになんてなりませんからね。
私生活は乱すな
新学年・新学期は、精神的にも不安定になりやすい時期です。
環境が変わり、学校の先生や友人関係とのトラブル、家庭内での不和など。ほとんどの場合は人間関係での何かです。そこから派生して、スマホやゲームに依存するようになり…と、いろんな問題が起こりがちです。
精神面の不安定さがあると、勉強に手がつかなかったり、集中が続かなかったり、それが睡眠にも影響したり、生活リズムが崩れたり、、、、
こうなってしまうと勉強以前の問題で、塾で何かをという話ではなくなってしまいます。
勉強の前に、まずは私生活。
子どもは大人以上に、日々の生活に影響されているものです。
日々の生活が安定するから、他のことに向き合うことができるわけですから、新しい生活になる上で、以下の3つは意識してください。
・睡眠時間は十分確保できていますか?(スマホ・ゲームで夜更かしなんて言語道断)
・イライラを親にぶつけていませんか。(反抗期でも構いませんが、話し合うことも必要です。)
・上手くいかないことを人のせいにしていませんか。
③で、新しいクラスのメンバー、担任の先生など、自分の思うようにはいかないことも少なくありません。
というか、人生大抵のことはうまくいきません。
が、それに不満を言ったところで何か変わるわけではありませんね。
だったら、その中で、与えられた環境と状況から自分はどうすればいいかを考えて、うまく立ち回れるよう努めましょう。
