10/22の日経新聞のニュースが話題になっています。
《トップ国立大「文理融合」にかじ、東北大学も新教育体系 高校に波及も》

今、大学の学部選択で、文系・理系ではなく、文理融合の学部が増えているのをご存じでしょうか。
近年、文理融合の学部を設置したもしくは設置する予定の大学の一部まとめました。
| 大学 | 学部名 | 設置年度・設置予定年度 |
| お茶の水女子大学 | 共創工学部 | 2024 |
| 金沢大学 | 融合学域(先導・観光デザイン・スマート創成科学類) | 2021–2023 |
| 静岡大学 | グローバル共創科学部 | 2023 |
| 九州大学 | 共創学部 | 2018 |
| 東京大学 | College of Design(仮称) | 2027(予定) |
| 東北大学 | ゲートウェイカレッジ(仮称) | 2027(予定) |
| 立教大学 | 環境学部(仮称) | 2026(予定) |
| 中央大学 | スポーツ情報学部/情報農学部(仮称) | 2027(予定) |
2024年に東京大学が発表をだしてから、東北大学が続いたことで、完全に文理融合の時代が来ています。
つまり、この流れは、これからの時代に生きる子どもたちにとって、“文系か理系か”という分け方そのものが、もう古くなりつつあること示しています。
その理由と意識すべきことをまとめていきます。
社会の変化が「文理融合」を求めている
現代の社会の問題にあげられる、気候変動、AIの倫理、医療データ、エネルギー、人口減少など、どれも科学技術+社会制度+人間理解が一体で動かないと解決できません。
たとえば、AIを作るのは理系だけど、どう使うか・倫理的にどう扱うかは文系の問題だったり、社会の課題が「文系だけ」「理系だけ」で解決できなくなっています。

さらに、20世紀後半から学問が細分化されました。その流れで日本の学部は、めちゃくちゃ専門的に細分化されています。
例えば、日本大学(私立)は16学部86学科あります。

将来やりたいことを見つけて、その分野に特化するための勉強していくのが今の大学です。
大学の専門学校化が進んでいるわけですが、、、
この文理融合学部の設置は、その流れに”待った”をかけています。
「複雑な現実問題に立ち向かうには、学際的・総合的な視点が必要」と見直されています。
「好き」から始めていい時代
昔のように「理数が得意なら理系」「国語が得意なら文系」という単純な話ではなくなりました。
文系の子がデータサイエンスに興味を持ったり、理系の子が社会課題やデザインに惹かれたりしていいんです。
むしろ、今はそれが推奨される時代となりました。
これからの時代は、「知識」よりも「組み合わせる力」なのだと思います。
科学技術がどんどん発展していく中で、技術を生かすには、文化や心理を理解する力が必要で、それは文系でも理系でもなく、社会を動かす“総合力”を持つ人が求められています。
なので、中高生は、「私は文系だから…」とか「理系だから…」って特定の教科から逃げるようなことはしない方がいいです。
文系でも理系の教科が必要になったり、その逆も然り。これからの時代で求められていることを理解しながら、目の前の勉強に励むようにしましょう。
