【TOP TIMES 2025 NO.29】“あの学校”が今は…!? 10年間の人気変動

中3生対象に2025年10月に行った、進路希望調査の結果が出ました。

 

この時期の希望調査は、学力や合格とかはあまり意識せずに、行きたい学校を希望として出しているので、今回の倍率は人気投票ぐらいに考えるのがいいと思います。

 

しかし、人気投票だからこそ見えてくるものがあると思いますので、10年前の同時期の倍率と比較をしてまとめていきたいと思います。

 

 

私立高校と通信制課程の人気化

少子化の影響もあり、中3生の数はもちろん減っていますね。ただ注目すべきは、私立と通信制の増加です。

 

コロナ禍以降、私立高校や通信制の人気が上がってきています。

 

私立高校が人気になった理由としては、公立志向だった家庭も授業料無償化で通いやすくなったことや特色(探究・英語・ICTなど)を強化して公立とうまく差別化していることが挙げれらます。

 

また、不登校が増えている問題もあり、多様な学び方へのニーズ拡大しています。コロナ禍以降、オンライン学習が一般化して、通信制でも双方向授業やサポート体制が整備されましたし、N高・S高など大手通信制の全国展開しているのが、通信制高校が増えている理由と言えると思います。

 

“あの学校”が今は…!?

〔全日制の課程〕(普通科)
学 校 名 募集人員
(10年前の募集人員)
R7.10
倍率
H27.10
倍率
増減
○川口市立240(240)3.011.76+1.25
大宮318(357)2.291.82+0.47
越谷南318(357)2.121.81+0.31
浦和西358(358)2.081.8+0.28
所沢358(358)1.891.61+0.28
越谷東278(278)1.151.02+0.13
志木238(278)1.161.05+0.11
新座柳瀬198(238)0.920.85+0.07
上尾238(238)2.362.29+0.07
春日部女子238(278)0.960.95+0.01
坂戸西318(318)1.181.21-0.03
大宮東238(278)1.111.16-0.05
川越初雁198(238)0.530.58-0.05
南稜318(318)1.671.76-0.09
不動岡358(318)1.421.51-0.09
浦和東318(434)1.261.36-0.10
川越女子358(397)1.241.34-0.10
川越358(397)1.391.5-0.11
春日部358(358)1.191.32-0.13
ふじみ野118(158)0.921.06-0.14
松山女子318(318)0.911.07-0.16
朝霞318(318)1.171.33-0.16
○さいたま市立浦和240(280)2.752.93-0.18
富士見198(238)0.610.8-0.19
川口318(358)1.501.71-0.21
久喜278(278)0.670.88-0.21
所沢中央318(318)0.941.17-0.23
熊谷女子278(358)0.911.15-0.24
越谷北318(357)1.421.66-0.24
大宮南358(358)1.361.61-0.25
熊谷278(358)0.961.21-0.25
狭山清陵198(238)0.680.96-0.28
坂戸318(318)1.281.56-0.28
所沢西318(318)1.301.61-0.31
朝霞西318(318)1.251.57-0.32
川越西278(318)1.111.44-0.33
和光国際238(238)1.551.94-0.39
浦和北318(480)1.091.51-0.42
浦和第一女子358(358)1.081.53-0.45
越谷西318(358)1.181.68-0.50
○川越市立川越140(140)2.993.59-0.60
所沢北318(358)1.552.23-0.68
松山278(278)0.671.35-0.68
川越南358(358)1.652.33-0.68
浦和358(358)1.101.80-0.70
318(357)1.472.22-0.75
川口北358(358)1.042.03-0.99

少子化や私立・通信制への流れで、公立全体として10年前と比べれば倍率は全体的に下がってはいます。

 

その中で分析すると、男女別学の学校は軒並み倍率が下がっています。

歴史ある名門校も多いのですが、松山・松山女子・熊谷女子は、このままいけば定員割れとなります。

 

特に、今年、県内公立御三家と言われている、浦和と浦和一女の倍率は、一段と低くなっていますね。その分、同じく御三家とされる大宮高校の倍率は10年前より上がっています。10年前であれば、浦高や一女を目指していた子たちが、大宮に流れていると考えていいでしょう。

 

県の教育委員会でも話し合われているように、男女別学は淘汰されていくのも必然なのかもしれません。

(そんな中、川高・川女は男女別学校ながら健闘していますね!)

 

共学の中で、10年前とで最も倍率を上げているのが川口市立高校ですが、10年前は市立川口高校としてあり、2018年に周辺の3つの高校が合併して、川口市立高校として、新校舎を設立しました。私立並みの設備の綺麗さが魅力の1つです。

 

浦和西や所沢も、人気が高まっていますが、偏差値もある程度高く、制服なしなど自由な校風が今の中学生には魅力的に映るのかもしれません。

 

逆に、川南川口北は、人気が落ちているようにみえますが、これは、去年の倍率が高かった反動もあり、決して人気が落ちたわけではないと考えています。倍率がこのように1年おきに増加と減少を繰り返す現象を隔年現象といったりします!

 

倍率に一喜一憂しない

倍率は、高いと不安になり、低いと安堵してしまうものです。

 

しかし、10年前と比べても、合格に必要な学力や内申点はそこまで大きく変わっていません

(むしろ、定員割れが起こったり、倍率低下で偏差値が下がっている学校の方が多いです。)

なので、基準となる学力に届かせることが大事なだけで、そこに倍率うんぬんはそこまで関係ないと思うようにしましょう。

倍率に一喜一憂せず、目の前のやるべきことに集中することが重要です。

この記事を書いた人

横山眞己(よこちん)

EIMEI-TOP代表の横山です。
EIMEI-TOPは難関公立受験をサポートする塾として、富士見市・ふじみ野市・川越市で結果を出してきました。浦和・大宮・浦和一女など公立上位に限らずお茶の水女子大附属、早稲田本庄、中央大附属など難関私立も直接の指導実績あり。日々、数学の入試問題を解き自己研鑽に励んでいます!