【TOP TIMES 2024 NO.11】ワンランク上の下位かワンランク下の上位か

深海魚”にならないために

受験界隈では、“深海魚”という言葉があります。

 

これは、成績上位の進学校に進んだ生徒が勉強についていけず、成績が最下位層に沈んだまま浮上できない様子を比喩した言葉です。

 

 

せっかく入った高校で落ちぶれたくない。“深海魚”になりたくないと思うのは当然のことですし、親としても子どもにそうはなってほしくない・傷ついて欲しくないから、安全な道を提案したくなるものです。

 

しかし、高校で下位に低迷することを恐れて安全な受験をすることをあえてここでは否定します。

 

今回は、その理由をいくつか書いていきます。

 

 

ワンランク上の下位か、ワンランク下の上位か

僕はワンランク下でトップをはろうとするぐらいなら、努力してぎりぎりでもワンランク上の志望校を目指すべきだと考えています。

 

なぜなら、人間は慢心するからです。

 

僕の同級生に、浦高を第一志望にしていて、直前で川高に志望校を変えた子がいました。本番の入試の得点は450点オーバー。間違いなく、川高でもトップ。しかし、高校の中間・期末、模試でも、どんどんその順位は落ちていき。最終的には、2浪して、名の知れない大学へ。

 

上位校ではそうやって落ちぶれていく人が、うじゃうじゃいるのもまた事実です。

 

下の写真は、とある高校の入試結果と2年後の学年末の定期テストの結果。

 

横軸は、入試結果。つまり、現在の実力。縦軸は、2年後の学年末の定期テストの結果。つまり”未来の実力”ということです。

 

入試の得点が高い人が、2年後も同じように高い得点を取っているかというとそうではない。逆に、ぎりぎりで入った子が、2年後もぎりぎりとも限らない。

 

今の実力は関係ない、高校に入ってからが勝負なのです。

 

だったら、今できる最大限の努力をして、少しでも上の高校を目指してレベルの高い環境に身を置くのがいいのではないでしょうか。高校に入っても、努力は続けなきゃいけないのですから。

 

自分にとって生ぬるい環境にいると、自分もどんどん怠けていくのが人間というものです。

 

僕が教えていた生徒の中にも、川高いけるぐらいの学力を持ちながら和国に行った子もいますが、今は真ん中より少し下ぐらいです。その子も、入学当初は指定校推薦を狙うと意気込んで入学しましたが、現実はそう甘くありません。

 

ランク下の上位でい続けることは、周りの環境を言い訳にせず、高校3年間努力しつけることが必要。それは、ランク上の下位に入ることよりよっぽど大変なことでしょうね。

 

 

「就職=ゴール」ではないこの時代に。

現代社会で、30代までの転職率は約30%と言われています。

これは、一度就職したら定年まで同じところで働くという終身雇用制の崩壊が始まっていることを意味し、今の若い世代は常に《変化すること》や《挑戦すること》を求められているのだと思います。

 

 

そんな時代を生きる子たちが、人生の初めての節目である受験で「行けるところに行ければいい」 「ワンランク下げて安定していよう」と考えてしまうことで、今後の人生の勝負所で踏ん張る力が無くなってしまうことを僕は危惧しています。

 

 

僕の経験上、【可能性の大小に関わらず、成功する可能性を高める努力を怠らない】ことを経験した人は、その結果によらず、強くたくましくなります。

 

受験の結果やその後の未来は、誰にもわかりません。

しかし、受験勉強を本気で頑張ったという経験は、その後の人生において大きな財産となります。

 

だから、受験というイベントには大きな意味があると、僕は信じています。

 

かといって、無謀な挑戦をすればいいというものでもありません。大きな目標を掲げてそれに釣り合う努力が出来なければただの夢想家になってしまいます。

 

理想と現実のギャップを見定めて、覚悟を持った進路選択を心がけましょう。

この記事を書いた人

横山眞己(よこちん)

EIMEI-TOP代表の横山です。
EIMEI-TOPは難関公立受験をサポートする塾として、富士見市・ふじみ野市・川越市で結果を出してきました。浦和・大宮・浦和一女など公立上位に限らずお茶の水女子大附属、早稲田本庄、中央大附属など難関私立も直接の指導実績あり。日々、数学の入試問題を解き自己研鑽に励んでいます!