問題はこちらから見ることが出来ます。
全体の構成は大問1~5、小問20問、記述4問と昨年度と同様。昨年、削減された範囲である「円」「三平方の定理」を活用する問題が多いです。大問1は小問集合であるが、一つ一つのレベルが高い。また、学力検査問題と共通の問題が多いが、同じ種類の問題でも条件が違ったり図や絵がなかったりします。
学校選択問題が採用されてから今年で6回目であり、難易度は安定してきたと言えます。
ところどころに時間を多く割く問題があるので、優先度を間違わないように取捨選択することが大事になります。典型問題でいかに点数を稼ぐかがポイントです。また、過去の学校選択問題対策同様に、初見の問題でも十分に対応できる力をつけていくことが必要になります。
1 (1) 落とせない計算問題です。分母に文字が残ることに注意。(2) 整数部分と小数部分の理解が必要。代入は式変形を行ってからが望ましい。(3) 解の公式を使うが、最初にx+3を置き換えると計算が多少楽になります。もちろん、その後再び置き換える事を忘れてはいけません。(4)~(7) 学力検査と共通。(ただし(7)に絵はない)
(8) 時刻をxと置いて方程式を作成し、解くこと自体は難しくないですが、答えが分数になり、時刻を「秒」で記入しなくてはいけないことが、不安になる点です。
(9) 関数の比例定数や傾き切片の大小に関する問題です。学力検査とは難易度が大きく変わります。まずは各文字の正負を知ること。またその後の比較において、図を調べていくことが必要になります。
(10) 学力検査1(16)と同様のテーマですが、図がないので自分で描く必要があります。体積比を活用。さらに割安とはどういうことかを知っておくことも必要です。
2 (1) 三平方を応用した作図です。直角二等辺三角形の比を活用。
(2) 関数と図形の問題です。学力検査2(2)と比べ、こちらは難易度が高いです。条件から四角形ABCDがひし形になることや、∠ABC=120°になることも重要ポイントの一つです。関数と図形の練習に加え、特別な四角形・角度をグラフに活用する練習が必要になります。
3 学力検査と同様のテーマですが、こちらの難易度はやや高いです。(1) Kさんの会話がヒントになります。ABを直径とする円周上の点を探せれば数えることが出来ます。(2) 学力検査(1)(2)と同様。(3) 学力検査(3)と共通。
4 学力検査4と共通。
5 R2以来の空間図形です。すべて体積を求める問題です。半径が最後までrで一貫していることや、体積を求める手段が各問題で全く違うことに加え、細かいところで三平方の定理を使っていくことが難易度を高くしています。(3)までの完答は相当厳しいといえるでしょう。
(1) 求める立体が球の8分の1ということに気付けるかがポイントです。
(2) 四角錐なので、底面積と高さの設定が第一歩。さらに底面積を求める方法で、特別角30°の活用が必要になります。加えて記述であることが難易度を上げています。何も書かないよりは「底面積と高さをどこに置くか:だけでも記述するのも手の一つです。
(3) 五面体のイメージがしづらい上に、△AGFと△OECは平行でもなく相似でもありません。一つの手段として、延長して三角錐を作り、切断した立体の体積を求める方法がありますが、三角錐の切断公式を知っておかないと厳しいです。超難問。
総括
学校選択問題を導入してから6度目の試験。回を経るごとに奇問は少なくなり、難易度も安定してきました。もちろん、学力検査よりも大幅に難しいことに変わりありません。平均点は昨年より下がると予想されます。(52点くらい)。
学校選択問題の対策をする場合は「平面図形」「空間図形」「規則性」「関数」「統計」など様々なテーマに触れることが必要であり、ときには難関私立レベルの問題にも触れておき、難問に対する感覚を養って置くと良いでしょう。
エイメイ学院の数学科の先生たちで解説動画を作りましたので、是非ご活用ください。
エイメイ学院 数学科 村上飛鳥