【TOP TIMES 2024 NO.27】男子校・女子校がなくなる。

県立の男子校に、女子の入学が認められるべきだ」

日本の男女別学の高校の数は、ピークの50年前の3分の1になっていて減少傾向で、日本だけでなく世界中でも共学化の動きがあります。

  

埼玉県には12校の男女別学の公立高校があり、この数は群馬と並んで全国一位。県内トップの進学校である浦和高校(以下浦高)は創立130年の歴史があり、浦高に限らず県内の男女別学の高校には脈々と受け継がれてきた伝統があるのは周知の事実です。

 

2024年8月、埼玉県教育委員会が「県立高校の共学化推進」を発表しました。

 

事の発端は2022年に県民から寄せられた「県立の男子校に、女子の入学が認められるべきだ」という1件の苦情だったといいます。

 

そこから紆余曲折あり、今回の決定に至ったわけですが、決定後にもたくさんの議論が起こっています。

 

「男らしさ」 「女らしさ」というのがタブー視される世の中へ

2023年度から女子制服のある“全て”の埼玉県の県立高校でスカートかスラックスを選択できるようになる見通しが示されました(私立で選択できるのはまだ一部です)。

 

制服に限らず世の中は変化していて、

「男らしさ」 「女らしさ」がタブー視されつつあります。

 

そんなジェンダー観の中で、男子校や女子校という存在は時代の流れに逆行しているといえます。

 

これからも男子校や女子校が存続していくためには、そこに合理的な理由が必要です。異性の目を気にしなくていいという解放感や、男子(女子)しかいないからこそ敢行できると考えられているような行事。

 

これらは、世の中一般的に見て合理的な理由と言えるかどうかは微妙なところでしょう。

 

また、 

「共学がいいなら、他の共学の進学校に行けばいい」という共学に反対する浦高生の意見がありました。

 

しかし、この意見は少し疑問が残ります。

 

例えば、浦高には浦高の良さがあるし、大宮高校には大宮高校の良さがあります。2つは同じ埼玉県にある進学校であれど、校風も合格実績も違いますし、全く別の高校と言って良いと思います。

 

そんな中で「浦高に行きたいけど共学が良いなら大宮に行けば良い」と言うのは、「浦高と大宮の唯一の違いは女子がいるかいないかで、共学化したらどっちも一緒になる」と言うのと同義に思えてしまいます。

 

浦高には男子校である以上の魅力がありますよね?

大宮にも共学である以上の魅力がありますよね?

 

時代の流れに逆らうことが難しい以上、男女別学を存続させるかという議論より、学校が共学になった時いかにして伝統を守るかということに注力していった方がより建設的な議論が出来るのかもしれませんね。

 

浦和一女 < 浦和 ≦ 横浜翠嵐 < 日比谷

男女別学だから、学力が高いという声もありますが、これに関しては「全くそんなことない」でしょう(笑)

 

世間一般的に、東大合格者数で高校のレベルが測られることが多いため、それで比較してみます。

 

日比谷や横浜翠嵐も昔は男子校でしたが、今は共学で、浦高よりもレベルの高い合格実績を出しています。

 

また、浦和は浦和一女や大宮よりも圧倒的な実績の差があるので、公立で東大を目指したい女子からしたら「男子校に、女子の入学が認められるべきだ」という意見は筋が通っていると言えるでしょう。

男女別学の魅力は?

共学化に賛成の立場で、ここまで書いてきました。

しかし、男子校出身の立場としては、男女別学が無くなるのは悲しい限りです。

めちゃくちゃ楽しい男子校生活でしたから。

 

現代は、人生100年時代。

その大半を性別で区別されることなく、男女で共同生活を過ごします。

たった3年間ぐらい異性の目を気にしない生活・環境があってもいいじゃないかとも思っています。

 

男子校の魅力を僕に語らせたら朝になってしまいます(笑)

 

それでも、時代に合わせて変化していくのも大事なことだと思っているので、共学化に賛成の立場で書かせてもらいました。

 

あなたは、男女別学の共学化に賛成ですか?反対ですか?

ぜひこれを機に考えてみてください。

この記事を書いた人

横山眞己(よこちん)

EIMEI-TOP代表の横山です。
EIMEI-TOPは難関公立受験をサポートする塾として、富士見市・ふじみ野市・川越市で結果を出してきました。浦和・大宮・浦和一女など公立上位に限らずお茶の水女子大附属、早稲田本庄、中央大附属など難関私立も直接の指導実績あり。日々、数学の入試問題を解き自己研鑽に励んでいます!