決して語られることのない「不合格体験記」
世の中には、輝かしい合格体験記というものがたくさんあふれています。
偏差値を10上げて、難関校に合格!とか学年ビリから、慶応大学に合格!とか。そういう、眩しく、感動する、成功体験記は、調べればすぐに出てくるものです。なぜ合格体験記が世の中に溢れているかと言うと、それを塾や予備校は看板のようにホームページに載せれば、読む側もその方が気持ちよく、多くの人が好んで読んでくれるからです。
でも、そんな輝かしい合格の裏には、必ず不合格があります。合格発表の当日、喜びの涙を流す人もいれば、ひっそりと悔し涙を流す人がいま す。
今回のTOP-TIMESでは、なかなか語れることのない、ある1人の生徒の不合格体験記を紹介します。
その子は、3年の夏から入塾し、9月に本気で川高を目指し始めた男の子。川高を目指してからは、まさに”本気”でした。塾をフル活用し、偏差値もぐんぐん上げて、最後の模試では合格圏にも手が届きました。そして、合格発表の日。その子は不合格でした。合否発表の1週間後。その子がこんなLINEをくれました。
この子が、不合格になった理由。それは、間違いなく1・2年生の内申点の差でした。実力の差ではなく、積んできた蓄積の差での不合格。
この現実を知った本人が何より悔しかったと思います。このメッセージは、後輩たちに伝えることの許可を本人からもらっています。先輩からの大事なメッセージをぜひ君たちもしっかり受け取ってください。
当然ですが、高校受験が人生のすべてではありません。進学した先で何をするかの方が大事です。
でも、塾として合格発表当日に悔し涙を流す生徒をこれから1人として出したくありません。多くの卒業生を見てきたからこそ、今伝えなければならないことを、僕たちは伝えます。厳しいことも言います。勉強量で負荷もかけます。
塾として、君たちの将来を案じる身近な大人として、君たちを、これからも叱咤激励し続けます。その”意味”と”思い”をどうか理解しておいてほしいと思います。
1・2年生のうちにやるべきこと
前述したように、公立高校の入試では、その点がそのまま自分の持ち点として試験に臨むわけなので、内申点を1・2年生のうちから稼いでおくことは重要です。
だから、言うまでもなく定期テストに向けて頑張ることは必要ですよね。
しかし、中1や中2のうちに本当にやるべきことは、高校を調べまくったり、実際に高校に行きまくったり、志望校を決めるための行動をすることです。
必ずしも中1・2の段階で確定している必要はありませんが、最低でもある程度のレベル帯で何校かに絞っておくことはしておかないといけません。
自分が中3になるまでに、何をできるようになっていないといけないか、そして、中3になってからはどんな量で、どんな難易度の勉強をしていくのかをイメージできている必要があります。そうしないと、今自分が何をするべきかが見えてきません。
登山をするには、まず登る山を決めないといけません。特に難関私立・国立など、より険しい山を目指すなら早めの対策は欠かせませんからね。
3年生がやるべきこと
10月半ば。受験生は山頂を目指して、ここから最後のアタックをかけていくことになります。
このアタックはメンタル面との勝負でもあります。過去問や模試を重ねて受けていくと、「このままで本当に大丈夫なのか」「もうだめかもしれない」と、誰しもが必ずそう思います。
でも、絶対に途中で諦めないでください。
絶対に。
最後まで本気で挑戦し続けてください。
本気でやった不合格より、途中で無理だと諦めた受験の方が確実に後悔が残ります。途中で諦めるぐらいなら、最初から目指さなきゃいい話です。
ここから先、めちゃくちゃ苦しいことも、自分に負けそうになることもあるでしょう。
それでも、諦めないこと。最後まで信念を貫くこと。
これが3年生のやるべきことです。共に戦い抜きましょう。