東大合格者への祝辞
毎年、春に発表される「東大合格者への祝辞」。毎年、日本の最高峰の大学に受かった人たちに送られる先人からの言葉には重みがあり、とても学びがあります。
今年は、國部 毅さんです。東大の経済学部を卒業し、現在は三井住友フィナンシャルグループの会長を務めながら、東京大学校友会の会長をしています。

ぜひ全文読んでみてください。そして、これを読んで僕の考えたことも同時にまとめていきます。
変化する世界をみつめる目を養う。
國部さんは、大学生活は今後の人生の足固めをする時期であると明言しています。そんな大学生活で、意識するべき点として、2つあげています。一つずつ見ていきましょう。
一点目は、「変化する世界をみつめる目を養う」ことです。世界は今、大きなパラダイムシフトを迎えています。皆様は、誰も想像がつかないような激動の時代の中、リーダーとして、課題を認識し、解決に導いていかなければなりません。その基礎となるのは、世界を冷静にみつめる目であり、視野を広げ、視座を高めるために必要なのが教養です。教養、つまり、リベラル・アーツは、人間に自由を与える学問、と言われることがあります。その自由とは、自身の固定観念や社会の既成概念に左右されない評価軸を持つことに他なりません。是非、幅広い学問に触れ、変化する世界をみつめる目を養ってください。その眼力は、将来、どのような道に進むとしても、皆様を正しい方向へと導いてくれるでしょう。
これは、小・中学生が勉強をする意味にも通じるものがあると思いました。
君らも必死に勉強していく中で、
「これが将来なんの役に立つんだろう」と疑問に思ったり、
「こんなの将来使うわけないだろう」と怒りにも近い感情を持ったりしたこともあるでしょう。
でも、大学生の勉強が教養であるならば、中学生がやっている目の前の勉強こそ、教養中の教養であり、視野を広げ、視座を高めるために必要な土台です。
世の中がどんどん変化していくからこそ、自分が興味のあるものだけでなく、幅広い学問を学ぶ必要があるのですね。
大人になれば、正解のない問いに対して自分なりの正解をださないといけない場面が多くなっていきます。その自分なりの正解を導くために必要な土台が、学生時代の勉強なのだと思います。
ましてや所詮中学レベルの勉強もできないようだと、大人になって時、周囲から「こいつ浅っ。」と思われるのが関の山ですので、ちゃんと勉強しておいた方がいいです。
何かに挑戦し、困難を乗り越える経験を積む
2点目は、「何かに挑戦し、困難を乗り越える経験を積む」ことです。ビジネスの世界では、登山に例えて「頂上に向かう道は平坦ではなく、一つでもない」と言いますが、皆様が、社会をリードする存在になる道も一つではありません。皆様も、大学生活では自分なりのフィールドを見出し、思う存分に挑戦してください。どのような道も平坦ではなく、困難が伴うかもしれませんが、それに真正面から立ち向かい、乗り越えていく経験を積んでください。難局に打ち克つ力は、将来、より大きな舞台に立つ時の糧となります。
まさに受験がこれだと思います。
選択肢は限られるかもしれないですが、わざわざ苦しい思いをしなくても、高校には行けます。高校受験は、楽をしようと思えばいくらでも楽できるものです。
しかし、僕は君らにはあえて厳しい道を選び、挑戦する受験にしてほしいと思っています。
なぜなら、高校受験というのは、自分の将来を自分で決めないといけない人生で初めての出来事であり、自分で選んだ選択に向かって、大きな壁を乗り越える経験ができるからです。
10代のうちに、そういう経験ができるチャンスはそう多くはありません。
なので、受験というものを本気で取り組むことには意味があるし、とても価値があると思います。
國部さんが言うように、何かに挑戦し、困難を乗り越える経験を積んで下さい。