2026年度 入試倍率速報!
埼玉県は、令和7年12月15日時点で実施した「第2回進路希望状況調査」の概要を公表しました。
「令和8年3月中学校等卒業予定者の進路希望状況調査(令和7年10月1日現在)」の結果について – 埼玉県
県全体で見ると、高校等への進学を希望する生徒の割合は98.7%となり、前年の同時期と比べて0.1ポイント上昇しています。進学希望者のうち、全日制課程を志望する割合は88.4%で、こちらも前年度より0.3ポイント高くなりました。
大きな変化となったのが、進学先別です。
県内公立高校を希望する生徒は前年より2,454人減少し、割合は59.6%(前年差-3.6ポイント)となりました。
一方で、県内私立高校への進学希望者は1,626人増えて20.6%(前年差+2.7ポイント)、県外高校を希望する生徒も719人増加し7.9%(前年差+1.2ポイント)となっています。
県内公立高校への進学希望者数・割合はいずれも、過去20年間で最も低い水準です。
全日制普通科で比較的倍率が高い学校としては、
市立浦和(2.35倍)
川口市立(2.17倍)
市立川越(2.04倍)
大宮(1.97倍)
上尾(1.87倍)
などが挙げられます。
また、1.50倍以上となっている普通科には、浦和南、浦和西、越谷南、所沢、市立大宮北、川口市立スポーツ科学コース、越ケ谷があります。
前年は高倍率だった川越南や川越は、今年はやや落ち着いた数値となっています。浦和高校については、昨年度より大きく倍率が下がっています。
理数科全体で見ると、倍率は1.21倍で、前年同時期より大きく低下しました。特に熊谷西と松山では1.00倍を下回り、これまでとは異なる傾向が見られます。外国語科は全体で0.91倍と定員割れの状況が続いており、越谷南と南稜を除く多くの学校で倍率が1.00倍を下回っています。また、新設された国際教養・国際科などの国際系学科についても、全体では0.88倍と厳しい状況です。
私立高校については、2026年度から授業料の実質無償化が始まる影響もあり、進学希望者が大きく増えています。前年同時期と比べて100人以上増加した学校は6校にのぼり、叡明、山村学園、大宮開成、秀明英光、浦和実業学園、栄北などが顕著です。
県外の私立高校を志望する生徒は4,461人で、前年より770人増えました。特に東京都内の私立高校を希望する生徒が大幅に増加しています。
倍率動向の考察
今年の倍率動向、最大の特徴は、県内公立高校離れと私立高校志向の進行です。県内公立高校への進学希望者数は大きく減少し、割合・人数ともに過去20年間で最低水準となりました。
一方で、私立高校への進学希望者が県内・県外ともに増加している点は要注目です。特に県内私立高校では、100人以上希望者が増えた学校が複数見られ、授業料実質無償化による家計負担軽減が進路選択に強く影響していると考えられます。
これまで「学費面」を理由に公立を第一志望としていた層が、私立へ流れている構図と言えるでしょう。
公立高校では、普通科の倍率は全体として前年より低下しています。特に、かつて高倍率を維持していた上位校・人気校の一部で倍率が落ち着いており、志望校の分散が進んでいる様子がうかがえます。
専門学科では、理数科の倍率低下が顕著です。昨年はこの時期に定員割れの学校がなかった理数科ですが、今年は複数校で1.00倍を下回りました。理系進学への関心が低下したというよりも、「普通科+大学進学」や「私立進学校」を選ぶ動きが強まった結果と見るのが自然でしょう。
外国語科および国際系学科については、全体として定員を満たしていない状況が続いています。英語や国際分野への関心自体は高いものの、大学入試での評価や進路の見通しを慎重に考えた結果、一般的な普通科や私立高校を選択する生徒が増えている可能性があります。
今後の見通し
今後、最終志願段階に向けては、公立高校の倍率はさらに緩和する可能性があります。特に1.00倍前後、あるいはそれを下回っている専門学科・総合学科では、志願変更によって定員割れが拡大する学校も出てくると予想されます。
一方で、市立浦和や川口市立、市立川越などの人気校については、依然として高倍率を維持する見込みです。ただし、これらの学校でも昨年までの過熱感はなく、実力相応校への志願を重視する動きが強まれば、最終倍率はやや落ち着く可能性があります。
私立高校については、今後も志願者増の流れが続くと考えられます。特に進学実績やコースの多様性、手厚い進路指導を打ち出している学校は、併願・第一志望のいずれでも選ばれやすくなるでしょう。県外私立、とりわけ東京都内の高校志向も当面は高水準で推移すると見られます。
全体として、今年度の進路選択は「安全志向」と「選択肢の多様化」が同時に進んでいるのが特徴です。
倍率だけでなく、入試制度や校風、進路実績を総合的に比較し、自身に合った進学先を選ぶ姿勢が、これまで以上に重要になっていきます!
