やる気スイッチはある?ない?
「先生、うちの子の“やる気スイッチ”を押してください」と、おうちの人からも相談されることも多いです。
これは某大手塾のテレビCMで使われてから、日常的に使われるようになりました。
では、やる気とは“スイッチ”のようにオン・オフを簡単に入れ替えられるようなものなのでしょうか。
そんな魔法のような“スイッチ”は人間には備わっていません。やる気スイッチが存在するというのが幻想なのです。
このことはさまざまな脳科学的な研究が示しています。
脳科学的には、「やる気が起こる→やる」のではなく、「やっているうちにやる気のようなものが出てくる」という順番です。
君がやらないのは、やる気がないからではありません。やり始めることから逃げて、いろんな言い訳をしているだけです。勉強も、運動も、仕事でも、とにかくやり始めてしまうというのが、とにかく大事なことなのですよ。
イメージしてほしいのは、【 自転車の漕ぎ始め 】です。
自転車に乗るとき、漕ぎ始めが重く、ぐっと力を入れて、一番エネルギーを必要とします。
でも、漕ぎだして、スピードに乗っていれば、漕がなくても進むようになりますし、むしろ止める方が大変です。
このむしろ止める方が大変になった状態のことを
一般的に《習慣》といいます。
歯を磨くように勉強しろ!! (ドラゴン桜より)
君らは毎日歯を磨きますよね。その「歯を磨く」という行為にやる気は関係していますか?
「今日はやる気があるから磨こう」「ちょっとやる気ないから磨かなくていいや」って思いますか?思いませんよね(笑)
磨かないと虫歯になるかもしれないし、磨かないと汚いし、、、やらないとむしろ気持ち悪いから歯を磨くと思います。
それこそが、まさに《習慣》です。
勉強も、その状態にまでできたら、理想の状態です。勉強しないとモヤモヤする。やらないことがむしろ違和感。気づいたら勉強している。
そんな状態が、勉強を《習慣》にしている人です。
そんな人がいることを、信じられない人もいるでしょう。
でも、いるんです。
そういう人が、結果を出し、最終的には受験で勝っていきます。
小さな習慣
勉強を習慣にするためには、『とにかくどんなことがあってもやる』と決めることが大事です。
疲れていようが、ちょっと嫌なことがあろうが、1日中遊んでいようが、旅行にいってようが、、、
『やると決めたからやる』と、行動することが肝心です。
加えて、習慣にしたい事へのハードルを極端に下げることも手段の一つです。
例えば、寝る前に必ず単語帳を“開く”とか、教科書を“持つ”とかでもいいです。
10個覚えるとかにすると重いことも、極端にハードルを下げることで行動できます。
開いたら覚えたくなるでしょうし、さらっと確認したりすることもできます。本当に持つだけになったとしても、習慣化するには必要なステップです。
この習慣化したいことのハードルを下げるというのは写真の「小さな習慣」という本で紹介されていますので、興味がある人はぜひ本も読んでみてください。
やる気に頼らず、緩急はつけつつも、やる続けることの重要性を説いてきました。
勉強において、君らは塾に通っているので、受験生は特に自習室を活用していくのがいいでしょう。
前回のTOP-timesにも重なりますが、やる気の有無にかかわらず「自習室に行く」と決めて、行く。
そこには誘惑の無い環境で取り組めるわけですから、家で机に向かって勉強するよりハードルは下がるはずです。勉強を習慣にし、歯を磨くように勉強しましょう。